プロジェクトマネージャの資格には、大きく2つある。
1つはPMPというプロジェクトマネジメント協会が認定している資格だ。
そしてもう1つが、国家資格の情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャである。
もし、今後あなたがプロジェクトマネージャとしてキャリアを伸ばしていきたいと考えているのならば、後者の国家資格は絶対に取っておいた方がいいだろう。
間違いなく、あなたのキャリアをバックアップしてくれる強力な武器となるはずだ。
ここでは、情報処理技術者試験のプロジェクトマネージャについて、年収への影響や難易度、転職時の効果などを解説する。
私も苦労して資格を取得した1人のため、具体的に解説していこうと思う。
プロジェクトマネージャ資格とは
プロジェクトマネージャは、システム開発プロジェクトを管理する能力を認定する国家資格だ。
IT業界の資格の中でも最難関と言われる資格の1つだが、キャリアアップに役立つことから人気の資格である。
4月の第3日曜日
受験料
5,700円(税抜)
受験資格
誰でも受験できる
試験会場
全国主要都市
試験時間
午前:①多肢選択式 50分
②多肢選択式 40分
午後:③記述式 90分
④論述式 120分
午前問題の難易度も高く、午後の記述式や論文も難易度は高い。
私は2度不合格となり、3度目にしてようやく合格を得ることができた。
試験の難易度
国家資格である情報処理技術者試験。
情報処理技術者試験は、図のようにレベルが分けられており、当然、上位のレベルは難易度が高い。
レベル2 基本情報技術者試験
レベル3 応用情報技術者試験
レベル4 高度情報処理技術者
・ITストラテジスト
・システムアーキテクト
・プロジェクトマネージャ
・ネットワークスペシャリスト
・データベーススペシャリスト
・エンベデッドシステムスペシャリスト
・ITサービスマネージャ
・システム監査技術者
このようにプロジェクトマネージャ試験は、情報処理技術者試験の中でもレベル4の最高難易度の試験である。
プロジェクトマネージャ試験の合格率
さて、気になる合格率を紹介しよう。
プロジェクトマネージャ試験の合格率は、たったの13%しかない。
※受験者数に対する合格者数での合格率。
応募者数に対する合格者数では、8%ほどの合格率となる。
参考までに情報処理技術者試験の合格率を表記しておこう。
資格名 | 合格率 |
---|---|
ITパスポート | 49.5% |
基本情報技術者 | 25.5% |
応用情報技術者 | 21.4% |
エンベデッドシステムスペシャリスト | 17.1% |
データベーススペシャリスト | 16.3% |
ネットワークスペシャリスト | 14.3% |
ITストラテジスト | 14.3% |
システム監査技術者 | 14.3% |
システムアーキテクト | 13.7% |
ITサービスマネージャ | 13.3% |
プロジェクトマネージャ | 13.1% |
※2018年春期までの累計から計算
この表からも分かるように、プロジェクトマネージャは情報処理技術者試験の中でも最難関の資格なのである。
プロジェクトマネージャ資格は転職に有利
高度情報処理技術者試験の中でも、プロジェクトマネージャは圧倒的に転職に有利な資格である。
なぜか?
まず背景として、近年は各企業のIT投資が拡大しており、IT人材が不足していることをご存知だろうか?
これはつまり、IT投資が企業存続に関わると経営者が考えている証拠であり、数多くのシステム開発プロジェクトが発生していることを意味する。
これまで多くの企業では、新入社員を育成してプロジェクトを進めてきたが、プロジェクトの大量発生によって、外部からの人材確保が急務となっているのだ。
中でもプロジェクトマネージャは、プロジェクトの成功を左右する重要な役割を持つ。
関連記事:よく分かる!プロジェクトマネージャの役割を簡単に説明する
企業からすると、プロジェクトマネージャは喉から手が出るほど欲しい人材だと想像がつくだろう。
しかし、採用担当者にとって悩みどころなのは、応募してきた人間がどの程度のプロジェクトマネジメント能力があるか、定量的に判断できない点だ。
そういったときに、国家資格のプロジェクトマネージャ試験の合格者であることを伝えると、それだけで採用担当者は安心するのである。
ちなみに。
私は転職をする際に数多くの企業に応募したが、全ての企業で内定をもらうことができた。
選び放題だ。
転職活動が資格だけで全て決まるとは言わないが、プロジェクトマネージャ資格を持っているだけで有利になることは間違いない。
資格取得による年収の変化
転職の際に圧倒的に有利なプロジェクトマネージャ資格。
年収への影響はあるのだろうか?
結論から言うと、資格をとったからといって年収が上がるようなことは無い。
理由を述べよう。
一般的に年収が上がるということは、『昇格する』ということなのだが、昇格のの判断基準は、入社年次や業務成績による割合が多いのだ。
つまり、プロジェクトマネージャ資格を取ったらからと言って年収は上がらない。
実際に、私が合格した際も年収は上がらなかった。(資格取得の一時金として8万円はもらえたが…)
ただし、前述したように転職する際には圧倒的な有利な資格のため、より年収の高い企業に転職することは可能になるはずだ。
また私の例を挙げるが、元々の年収が500万円から、転職後は年収が700万円にも上がった。
やはり年収を上げるには転職するのが最も有効な手段だと言えるだろう。
プロジェクトマネージャ資格の価値は非常に高い
プロジェクトマネージャ試験の合格率は13%しかないにも関わらず、受験者数は他の資格と比べて多い。
高度情報処理技術者の中では受験者数のトップ3は下記のようになっている。
第2位:プロジェクトマネージャ
第3位:データベーススペシャリスト
ネットワークスペシャリストやデータベーススペシャリストは、最初の高度情報処理技術者試験として受験する人が多い。
一方、プロジェクトマネージャ試験の受験者数が多いのは、IT業界からの評価が非常に高いからだ。
難易度が高くても、自分のキャリアにつながると考えて受験する人が多いのだろう。
また、会社に勤めていると、情報処理技術者の資格を持っているかどうかを聞かれることがある。
そのときに、「プロジェクトマネージャを持っています」と回答すると、「すごい…!!」と周囲から称賛を受けられる。
プロジェクトマネージャ資格の価値は非常に高いのだ。
さいごに
プロジェクトマネージャ資格について述べてきた。
・プロジェクトマネージャの合格率は13%程度と難易度が高い
・転職の際には、非常に有利な資格である
・資格を取得しても年収は上がらない
・資格の価値は非常に高く、周囲からの評価も得られる
冒頭に述べたように、私は2回不合格となった。
プロジェクトマネージャ試験は年に1回しかないため、私は3年目にしてようやく合格することができたのだ。
この記事をご覧になっている方は、プロジェクトマネージャの資格に興味がある方かと思う。
確かに難易度の高い試験だが、苦労して合格を目指すだけの価値は十分ある。
キャリアに直結しない資格が多い中、プロジェクトマネージャ資格は、まさにキャリアに直結する資格だと断言する。
ぜひ、資格取得を目指して頑張って欲しい。
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