プロジェクトマネージャと聞くと、ベテラン社員が担当するイメージかもしれない。
しかし、企業によっては早ければ2年目から小規模のプロジェクトを担うこともある。
実際、私がプロジェクトマネージャを初めて担当したのも2年目のときだった。
若手でもPMを担当することは多いだろう。
ただ、プロジェクトマネージャは何をすればいいのか、いまいちピンとこない人も多いと思う。
そこで、ここではプロジェクトマネージャの役割を簡単に説明する。
プロジェクトマネージャをはじめる第一歩になるはずだ。
プロジェクトマネージャの役割
プロジェクトマネージャの役割は、プロジェクトを成功に導くことだ。
プロジェクトの成功とは、『決めらられた期間に、利用できる資源(ヒト・モノ・カネ)を使い、スコープで定義された品質のシステムを構築すること』である。
こう聞くと難しく感じると思うので、ポイントを整理してみよう。
・期間内に終了すること
→ 納期を守ること
・利用できる資源を用いること
→ 予算を守ること
・スコープで定義された品質のシステムを構築すること
→ 品質を守ること
要するに、プロジェクトが成功するということは、納期・予算・品質の3つの条件を満たすということである。
聞いたことがあるかもしれないが、これら3つをまとめて『QCD』と呼ぶ。
プロジェクトの重要要素『QCD』
QCDは、①品質、②予算、③納期の3つの頭文字をとった用語だ。
予算:Cost
納期:Delivery
品質は良ければ良いほどいい。
予算は低ければ低いほどいい。
納期は早ければ早いほどいい。
このように考えるのが一般的だが、全てを満たすことはできない。
例えば、品質を良くしようとすればするほど、お金はかかるし、納期も遅くなるからだ。
今後、あなたが担当するプロジェクトでも、QCDには頭を悩ませることになるだろう。
私の部署でも、バグだらけで納期を1年近く延期した炎上プロジェクトがあった。
大量の要員を投入し、なんとか終了させたものの大赤字だ。
(プロジェクトメンバーは、深夜までの残業や休日出勤を繰り返し、体調を崩して休むメンバーも出た)
失敗するプロジェクトでは、多くのメンバーが痛い目に合う。
プロジェクトの半数は失敗している
プロジェクトの成功率を上げるべく、PMBOK(ピンボック)をはじめとしたプロジェクトマネジメントの体系化が30年以上前から進められている。
その効果もあって、近年では、プロジェクトの成功率は上昇しているようだ。
2008年:31.1%
2018年:52.8%
(出典:日経コンピュータ)
ただ、成功率が上昇しているとは言っても、プロジェクトの半数は失敗している。
この事実からも、プロジェクトマネージャの重要性を感じるだろう。
プロジェクトマネージャに必要な能力
プロジェクトが成功するかどうかは、プロジェクトマネージャにかかっていると言っても過言ではない。
では、プロジェクトマネージャにはどのような能力が必要なのか?
考えてみてほしい。
・業務知識
・IT知識や技術
・問題解決能力
・決断力
・コミュニケーション力
など
人によって考える能力は様々だろう。
ただ、最も重要な能力は別にある。
最も重要な能力、それは新しいものを自分の中に取り入れる『学ぶ力』だ。
マネジメントの発明者として知られるピーター・ドラッカーの名言を紹介しよう。
21世紀に重要視される唯一のスキルは、新しいものを学ぶスキルである。それ以外はすべて時間と共にすたれてゆく。
私たちは、プロジェクトを進めるなかで学ぶ機会がたくさんある。
顧客から学ぶこと。
メンバーから学ぶこと。
市場動向から学ぶこと。
書籍から学べることも多くある。
しかしながら、多くの人間は学ぶことを嫌う。
学ぶことを嫌い、人の話を聞こうとせず、自分の頭にある少ない知識や経験だけで進めようとする。
この結果、多くのプロジェクトが失敗することになるのだ。
具体的なプロジェクトマネージャの仕事については、下記の記事にまとめたので参考にして欲しい。
さいごに
プロジェクトマネージャの役割は、プロジェクトを成功させることだ。
しかしながら、プロジェクトの半数は失敗してしまう。
「本当に半数ものプロジェクトが失敗しているのか?」と疑問に思うかもしれない。
それは、成功しているように見えるプロジェクトが多いだけだ。
例えば、サービス残業がある部署だと、あたかも予算内に納まっているように見えてしまう…あなたの部署で心当たりはないだろうか?
プロジェクトマネージャに必要なものは『学ぶ力』だと書いた。
このサイトにはプロジェクトマネージャに必要な知識やノウハウを残していく。
このサイトによって、プロジェクトの成功に繋がることがあれば、これ以上の幸せはない。
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