要件定義工程の成果物一覧




要件定義工程の成果物

要件定義でどんな成果物を作成すればいいのだろうか?

今回は、要件定義で作成する成果物について、サンプルを用いて簡単に説明する。

はじめに

要件定義工程の最終的な成果物は、要件定義書である。

ただし、要件定義書を書き上げるための途中成果物として、現状調査・業務ヒアリング・業務分析をしながら、様々な資料を整理していくことになる。

成果物のルールを定めている企業もあるので、まずは自社ルールを確認してみる良いだろう。

※当サイトでは、情報処理推進機構(以下、IPA)や行政機関の資料を参考に記載している。

要件定義書の書き方については、下記をご覧いただきたい。

要件定義書の書き方

要件定義書サンプル・書き方

2019年6月2日

要件定義の成果物

当サイトでは、要件定義書を書き上げるための途中成果物として下記の資料を挙げている。

 

要件定義の成果物

1.業務要件
1-1.システム化の背景・目的
1-2.問題/影響/原因/対策など一覧
1-3.システム化の対象範囲
1-4.業務機能構成表
1-5.ビジネスプロセス関連図
1-6.現行業務フロー
1-7.新業務フロー

2.機能要件
2-1.システム機能階層図
2-2.画面一覧
2-3.画面遷移図
2-4.画面レイアウト
2-5.帳票一覧
2-6.帳票概要
2-7.帳票レイアウト
2-8.バッチ処理一覧
2-9.概念データモデル(ER図)
2-10.テーブル一覧
2-11.テーブル定義書
2-12.外部システム関連図
2-13.外部インターフェース一覧
2-14.外部インターフェース定義書

3.非機能要件
3-1.ユーザビリティ及びアクセシビリティ要件
3-2.システム方式要件
3-3.規模要件
3-4.性能要件
3-5.信頼性要件
3-6.拡張性要件
3-7.上位互換性要件
3-8.継続性要件
3-9.情報セキュリティ要件
3-10.情報システム稼働環境要件
3-11.テスト要件
3-12.移行要件
3-13.引継ぎ要件
3-14.教育要件
3-15.運用要件
3-16.保守要件

 

業務要件

業務要件は下記7つの成果物を整理する。

1-1.システム化の背景・目的
1-2.問題/影響/原因/対策など一覧
1-3.業務機能構成表
1-4.ビジネスプロセス関連図
1-5.現行業務フロー
1-6.新業務フロー

これらを簡単に説明していく。

システム化の背景・目的

システム化が必要な背景と目的を説明した資料。

これらは要件定義より前の企画(システム化構想)の段階で整理されるのが一般的。

背景:なぜシステム化が必要なのか?
目的:システム化に何を期待するのか?

問題/影響/原因/対策など一覧

プロジェクト関係者へのヒアリングから、現場の問題や要求を抽出し、プロジェクトで対応する要件を決めた資料。

・現状の問題点
・問題による影響
・問題が発生している原因
・原因の対策

業務機能構成表

 

各業務機能の構成が分かる資料。

今回のシステム化範囲を記載する場合もある。

ビジネスプロセス関連図

 

各業務機能の関係性が分かる資料。

今回のシステム化範囲を記載する場合もある。

現行業務フロー

 

現行の業務の流れを図解した資料。

新業務フロー

開発するシステムを適用し、新しい業務の流れを図解した資料。

現行業務を「As-Is」、新しく目指す業務を「To-Be」と呼んだりもする。

業務処理定義書

 

業務フローに書ききれない詳細な業務内容が分かる資料。

機能要件

機能要件は下記の成果物を整理する。

2-1.システム機能階層図
2-2.画面一覧
2-3.画面遷移図
2-4.画面レイアウト
2-5.帳票一覧
2-6.帳票概要
2-7.帳票レイアウト
2-8.バッチ処理一覧
2-9.概念データモデル(ER図)
2-10.テーブル一覧
2-11.テーブル定義書
2-12.外部システム関連図
2-13.外部インターフェース一覧
2-14.外部インターフェース定義書

システム機能階層図

 

開発するシステム機能が階層的に分かる資料。

業務機能構成表と紐づけることが重要である。

見た目は分かりやすいが、改廃がしにくいので、個人的には下記のような表形式で管理する方が良いと思う。

 

要件定義では、主要な開発機能を記載し、基本設計フェーズで最終的な機能を確定させる。

画面一覧

 

プロジェクトで開発する画面を一覧にまとめた資料。

下記のように構成をツリー形式で表す場合もある。

画面遷移図

 

画面の流れが分かる資料。

画面レイアウト

 

画面の具体的なイメージを明確にする資料。

帳票一覧

 

プロジェクトで開発する帳票を一覧にまとめた資料。

帳票概要

帳票の出力場所や、業務上の用途が分かる資料。

帳票レイアウト

 

帳票の具体的なイメージを明確にする資料。

バッチ処理一覧

 

プロジェクトで開発するバッチ機能を一覧にまとめた資料。

概念データモデル(ER図)

 

業務で扱うデータ構造が分かる資料。ER図でまとめることが多い。

「概念データモデル」とは、業務の主要なデータのみを表現したもの。

業務の実態を把握・分析し新業務を検討するために利用するので、システムを構成するデータを全て洗い出す必要はない。

詳細なER図は、次の基本設計工程にて作成する。

作成手順や注意点は、下記の資料が参考になるだろう。

>> IPA『ユーザのための要件定義ガイド』,pp.131-136

テーブル一覧

 

前述した概念データモデルをもとに、主要なテーブルを一覧にまとめた資料。

 

(補足)

・イベント系
受注、発注などの業務活動によって発生・増加する情報を管理するテーブル

・リソース系
商品マスタ、倉庫マスタなど、イベント系テーブルから参照される、実際に存在するモノを管理するテーブル

・サマリ系
売上高など、業務活動によって発生した情報の集計結果を管理するテーブル

出典:IPA『機能要件の合意形成ガイド~データモデル編~』

テーブル定義書

 

前述したテーブル一覧をもとに、テーブル内の主要なデータ項目を一覧にまとめた資料。

作成手順や注意点は、下記の資料が参考になるだろう。

>> IPA『ユーザのための要件定義ガイド』,pp.137-138

外部システム関連図

 

関連システムとのデータのやりとりを図解した資料。

外部インターフェース一覧

 

関連システムとのデータのやりとりを一覧にまとめた資料。

外部インターフェース定義書

 

関連システムとのデータのやりとりについて、主要なデータ項目を一覧にまとめた資料。

非機能要件

非機能要件は、業務要件や機能要件のような明確な成果物が無い。

当サイトでは、IPAや行政機関の資料をもとに非機能要件一覧を下記のように整理しているが、IPAの非機能要求グレードを参考に整理するもの良いだろう。

非機能要件一覧(当サイト)
3-1.ユーザビリティ及びアクセシビリティ要件
3-2.システム方式要件
3-3.規模要件
3-4.性能要件
3-5.信頼性要件
3-6.拡張性要件
3-7.上位互換性要件
3-8.継続性要件
3-9.情報セキュリティ要件
3-10.情報システム稼働環境要件
3-11.テスト要件
3-12.移行要件
3-13.引継ぎ要件
3-14.教育要件
3-15.運用要件
3-16.保守要件
非機能要求グレード(IPA)
・可用性
・性能・拡張性
・運用・保守性
・移行性
・セキュリティ
・システム環境・エコロジー

おわりに

要件定義工程では、最終的に要件定義書をまとめることになるが、その過程として、紹介してきたような成果物を整理することになる。

最初に述べたように、作成する成果物やテンプレートや書き方は、企業の標準としてまとめられている場合もあるので確認してほしい。

また、過去案件の成果物を流用するのも良いだろう。

以上、参考になれば幸いだ。

 

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参考文献

IPA『経営者が参画する要求品質の確保』

IPA『ユーザのための要件定義ガイド』

IPA『非機能要求グレード』

IPA『機能要件の合意形成ガイド』

IPA『システム開発調達仕様書(ひな形)』

国土交通省『建設キャリアアップシステム 要件定義書』






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